この60年で私たちは何をして来たのか。造林事業によりとんでもない怪物をつくってしまったのかも知れない。伐期に至っても伐ることが出来ない現実が横たわっている。このことで、ニュースを見ていても杉桧の流出による災害や春先の国民病といわれる花粉症の原因をつくり、そのことの対策ができない現実を目の当たりにしている。
さらに、気候変動に対しても不健全な杉桧林では微生物の活動が急激に低下し木根が脆弱になる。このことから、CO2の発生がO2の放出より多くなっている。人工林では自然界の仕組みがなりたたないと思える。
戦後の雇用促進対策と材木の高騰により木材不足に陥ったことにより国は造林補助金を全国に交付し、戦争中に伐採された山林や燃料用(炭、薪)に用いられた場所、さらに皆伐により杉桧を植林することを推進した。自分達も材木の高騰を目の当たりにし期待と将来の希望を山に込めたことは山村に生活するものにとってひとつの時代であったといる。
今後、私たちは何を成すべきかは「本来の森林の蘇生」であり、落葉樹の森づくりを進めることであると考える。
日本の森林面積は国土の7割を占め、人工林の材積は33億㎥となり東京ドーム(4.7ha)に立積するとヒマラヤ山脈を越え、成層圏(20km~50km)をもはるかに越え中間圏の上部まで達する高さの70kmまで積み上がる途方もない高さに達している。神が怒ったといわれる古代バビロンのバベルの塔ですら90mであり、その比ではない。
この途方もない怪物を本来の姿に戻す第一歩は、杉桧の伐倒と搬出にかかっているがこのことに目を向ける人たちが少ないことや搬出仕方が小規模林業者にとって使える機械が無いこと、木材価格が安いことなど森林の再生を行う人がいないのが現実である。
もし、このことで考察するならば、木材の輸入に若干の関税をかけ輸入量を削減すると共に世界の木材伐採に歯止めをかけ、日本がおこなう気候変動に拠するため杉桧の伐倒を推進することが望ましい。
さらに、洪水時の林木流出災害の減少や花粉症対策(日本人の38.8%4,500万人が何らかの症状がある)の良薬になるといえる。今日行われている杉桧の間伐は1回では済まず林家にとっても森林にとって有効手段とは考えられない。
なを、森林環境税の納付義務者6,200万人から1,000円/年、620億円を杉桧伐採に適正に振り分け、林産業(山師、製材、住宅)に多くの新規参入を確保し、より速やかな怪物対策が進むことを大いに期待する。
私たちは、小さく小規模な団体ですが”針葉樹から広葉樹への転換”を合言葉に森林本来の姿を取戻す努力に汗と知恵をだし「美しい森林と国土保全」を図って参りますので支援・応援をお願い致します。