遷移とは時間の経過により、その経過に合ったものが現れ占有し、さらに変化を続け最終的に変化しない森林に至ることをさす。
仮に、火山島が出来ると水分保持や土壌及び栄養分がないことから地衣類、蘚苔類が大気中の水分と太陽光による光合成により繁殖する。その植物の遺骸が土となり窪地に若干の土壌を形成する。その後、草本類やススキ、チガヤが芽生えこの根から根酸をだすことで岩石を溶かし風化が進む。
土壌養分が出来ると強い光を好む陽樹(パイオニア植物)が進出し、ヤシャブシ、ツツジ、ウツギ等の低木林を形成する。ついで、赤松、コナラ、ヤマザクラ、カシワが林をつくり徐々に森の形体を整えて行く。
この中に、陰樹であるクライマックス植物(極相林)が入り込みパイオニア植物を駆逐し最終森林に遷移して行く。
主に、パイオニア植物は菌根菌等の菌類と共生し養分や水分のやりとりを行っていることが多い。特にヤシャブシやマメ科植物は根に窒素固定菌を持ち無肥料の場所でも生育を可能にしている。
光が林床に届かなくなると陽樹の稚木は生育が出来なくなり陰樹の稚苗のみが育つことになる状況をクライマックス(極相林)といわれる。原生林は安定した極相林の状態をさす。気候・気温により林分はブナ純朴林、シイ、カシ、タブノキ林等の広葉樹混交林がある。