土佐の大杉は「杉の大杉」といわれ日本最大級の杉である。この八坂神社境内たち推定樹齢3,000年といわれ北の大杉、南の大杉と二本がある。ちなみに、杉の大杉は願掛けの木ともいわれ全国から参拝者があとを絶たない。
御神木は神が降臨し人々の願いを叶える木と考えられている。土佐の大杉にまつわるエピソードは坂本竜馬が「自分は泥水路に落ちて死のうとも人の役にたつ人間になりたい」といって願いをかけたそうである。さらに、吉田茂内閣総理大臣がイギリス大使のころ「日本を救うため命を捧げる」と願掛けしたとか。美空ひばりがどさ廻りの途中に立ち寄り「日本一の歌手になりたい」と願ったようである。
1979年の当時は鳥居も傾き人の姿はまばらであった。神主に神様に願いをかけたいとお願いすると、願いを叶えるには作法がとのこと。まずは、捧げものですが、自宅のお水、あなたの所の干し魚、地域の酒を持参し、玉ぐし料はいりませんとのこと。次に来る朝に身体を清めることと指示を受けた。
当日、社務所を訪ねお願いし案内を請う。さっそく、指示どおり鳥居の前で住所と氏名を大声で言った。何故かは、このクヌギの鳥居には目に見えないが鳥がとまっていて神様に告げに行くとのことであった。参道の真ん中は神様の通る道であり参道の縁を歩くようにといわれる。拝殿に入りお供え物をした後に住所氏名と願い事を大きな声で述べた。神様は耳が少々悪く聞こえづらいそうである。しかし、境内に2人程女性がいたことで非常に恥ずかしかった。
社務所に戻り、今後何をすれば良いのか尋ねると。1週間以内にカラスがお宅の近くに行きます。カ~ァを語尾を上げて鳴くとあなたの願いは叶えられますが、カーァを語尾が下がった場合は願いは叶えられませんとのことであった。また、願いが叶った場合は1年以内にお礼参りをなさる必要があると教えられた。
丁度1週間目に朝食をとっていた時カ~ァとカラスが鳴き、その日の昼過ぎ発明特許が通過したとの知らせがあった。
杉の大杉にはその後3回ほどお礼のお参りに出かけた。