1.ケヤキ
ケヤキ材には赤材、青材があり一般に日本海方面の材は赤材が多い。青材は太平洋側
に産する。漆器に用いられるのは赤材で年輪の詰まったものが好まれる。山中温泉の
漆器製材所では縦引き材を生産し全国に提供している。
ケヤキは挽物によく使われる。乾燥がしやすいのと刃切れが良い。漆との馴染みも良
く多くの漆器材として用いられている。
2.トチノキ
材は軽軟で加工が容易。乾燥がしやすいく軽く大きなものを作成するのに用いる。塗
ものに最適といわれている。
3.センノキ
挽物としては板材(横木取り)にしての利用が多く杢目の美しさを生かした菓子鉢、盆などに多く使われます
4.ミズメザクラ
肌目は緻密で堅く表面が美しく仕上がることから造作材・化粧材として重用される高級材です。
挽き物にも最高の材料で欅・栃と共に全般に多く使われています。
5.キリノキ
器等にするには、強度は劣りますがその軽さで、様々な用途が考えられます。挽き物にするには杉と同じく軟らかく刃物の切れが悪いので山中の木地師には敬遠されていますが、
当工房では長年・焼杉と並んで焼桐の皿・茶たくの加工を得意としています。
6.クリノキ
材の肌目は粗く硬く弾力があります。とても水に強く朽りにくいです。挽物には、乾燥での狂いが生じやすく刃物の切れ味も悪いですが、挽物材の中では柔らかくノミで彫る器の材に使われています。
又、榎木と同様にその狂いの味を器等に使うことも多いです。
樹皮は染料用タンニンとして使われています。
7.スギノキ
軽軟で建築・建具・家具・箸など多様に利用されていますが、挽き物にするには非常に早い回転と薄い刃物で挽かなくてはきれいに仕上がらず、挽き物としては山中の木地師には敬遠されています。
しかし杉で造った器は軽くて木目が美しく、造るものによっては他の素材では得られない味のあるものができます。
焼材、あるいは塗り物に加工して使用します。
8.エノキ
ほぼ欅(けやき)と見分けがつかないほど似ているため、欅まがいとして使われていたこともあります。
狂いが生じやすく割れやすいが、自然に狂った形状の面白さを表現するためあえて挽き物に使用することがあります。