イタリア北部アドリア海に浮かぶベネチアは低湿地帯のラグーナ(潟)に”砂上の楼閣”を造った海上都市である。まるで不可能といえる場所を選んだのかは当時ゲルマン民族が南下したことと海上交通の繁栄があったことからラグーナ(潟)の泥や砂だまりで小さな陸地に入植したことが始まりといわれる。さらに、大きな土地と大建造物を建てるためラグーナ上流の森からオークの直径20cm長さ4~5mを運び泥の中に隙間なく打込26万人が暮らす町を造った。 ラ・サールテ寺院でも100万本のオーク杭を粘土と砂の層まで打込みその上にイストリア石を積みで支えられているという。 このことから、「ベネチアを逆さまにすると森が出来る」といわれる程である。オーク材は水中にあることから1,000年経っても腐らず今日もベネチア海上都市を支えている。